〜 風間新太郎の私見30 〜
一昨日、大相撲大阪場所が千秋楽を向かえ、15日間の熱戦の幕が閉じられた。
貴乃花部屋の遺産騒動以来、あまり相撲には興味が沸かなかったが、場所前の八百長報道から横綱が精神的に立ち直って頑張ってくれるのか、期待と興味の半々で成り行きを眺めていた。結果は、ご存知のとおり2連敗からスタートした横綱が、驚異の精神力で勝ち進み、先行していた大関・白鵬をも打ち破り、同じ『12勝2敗』に並んだ時には、とても20代の若者とは思えない、堂々とした貫禄さを感じた。
しかし、最後がいけなかった…
勝ちたいのは判るが、勝ち越しがかかり、闘志満々の大関・千代大海との対戦はひどかった。
本当の実力勝負で充分勝てたし、正面から当たってガッチリ横綱として受け止めてこそ、第一人者の責務であり、挑戦者へ礼儀というもの、簡単にヒョイと横によけて、簡単に勝利してしまったのは、いただけない。
それに輪をかけ唖然とさせられたのが、優勝決定戦。
勝った白鵬は、ほとんど相手にもさわっていないで飛びのけて勝ったので髷さえ乱れていなかった。『力と力と真っ向勝負』に対する期待、横綱・大関というその業界を代表する人間がとるべき行動、総てが失格だ。
『勝ちたい』、『勝てばよい』というのは国民性の違いか!?現代の風潮か!?
『勝てば官軍』という古い言葉があるが、品位は感じさせない言葉だ。
『日本人の志』はもっと深く、正々堂々としたのもであって欲しい。
例え利益があがらなくとも、わざわざ風間建設を指名していただいたお客様には、全身全霊をかけて、出来るだけのものを作っていく。その時、利益が出なくとも信頼という貴重な財産を積むことが出来る。
それがやがて花開き、実を結ぶ。そういう仕事をする社員ばかりの会社にギスギスした雰囲気が生まれるわけがない。
お客様の喜ぶ顔を思い浮かべて、楽しく仕事をする。『美しい日本人』の集まる社会。
古風だけど『日本人の志』をひとりひとり持つ会社を目指して生きたいと、私は願う。
2007.3.27 風間 新太郎